中野上陸作戦

先日初めて中野行ったんですよ、中野。
初めてって言うと実は嘘で、某打ち上げかなんかで行った事はある。
でも会場以外に行ったことが無かったので、
中野自体は初めてに近い状態だったんですよ。
もう上京して7年半程になるのにね。
で、中野、といえばブロードウェイだと言う事でブロードウェイに初潜入したんです。
ちなみにその前に阿佐ヶ谷で七夕寄ってから来ました。
数年ぶりにお気に入りのパン屋でメロンパン食べた。
旦那には「お前はシ●ナ並みにメロンパンが好きだなー」と感心されるも、
美味しいメロンパンの為に行脚するくらい好きなので、妥当っちゃ妥当である。
で、ここまでが前置き。
前もって旦那には


「あそこは空気が澱んでるんだよ。何か臭いんだよ。」



とは言われていたのだが、いざ入ってみると、意外に普通。
旦那も「あれ?まともになってる」とか言ってる。
噂どおり小物や服が安くって、買う予定も無かったのに、普通に買ってしまう。
なんつーか2000円のワンピースが高く見えるという錯覚に陥るほどの価格破壊。
中野ええ所やーとか思ってたんですけど、
二階に上がって、いきなりアレな空気に当てられる。
京極的に言うと、憑き物だらけだ。
いきなりミリタリを扱う店の後にアニメ漫画のグッズを扱う店だった。
実は、ワタシはビル自体の殆どがまんだらけで、
大きな売り場になってるのだと思っていたのだ。
しかし、現実は小さなテナントが入り組むように軒を連ねる、
アメ横のガード下の店舗か、アキバの電気街の様な専門街だった。
天井が低く、アングラと言えば聞こえはいいが、
どっちかというと、ジャンク屋の塊だった。
で、始めの方で目に付いた、アニメグッズ屋。
漫画家とかのサインモノをメインで扱ってるみたいだったのだが、
知ってる監督のサイン色紙が56000円で売っていた。
何か分からないけど、致命傷を受けました・・・
昔世話になった人で、まあ、有名監督ではあるんですけど、
『なあ、色紙描いてもらったら、5万やで・・・』
「それ、足付くから。」
『なんで5万もすんの?5万で売れるのん?』
「原作だろ・・・」
と言う感じで見事に毒気を抜かれつつ、
まあ、多種多様なヲタグッズが山ほど。
2階はミリタリ多めだったけど何故かご飯系もあったり。
つか、ここで普通に床屋開業する意味無いだろう。
3階は更に濃いヲタゾーン。
噂のセル屋さんもあるよー。
フィギュア、食玩、アイドル、漫画、色とりどりのヲタ商品が並んでいます。
勿論同人専門のまんだらけもあるんだけど、
腐専門の店舗も・・・・
あすこは危険だから・・・・と言って近づかなかったワタシに賞賛の拍手を。
それ見ながら思い出したのが、子供の頃のシール集め*1、という自分の趣味。(暗い、暗すぎる)
あの頃、家の母親は漫画は絶対買ってくれなかったんだけど、
時々小学○年生というやつを買ってくれてたのだ。
必ず毎月と言うわけではなかった気がするが、
全面的に漫画を禁止されてた我が家では、子供たちのバイブルだったのだ。
しかし、他の子はジャンプを読み、コロコロを買い、というのが主流の中で、
話についていける訳も無く、病院で置いてある漫画雑誌を読み漁るのが常だった。*2
で、その小学館に良く付いてくる付録と言えば、シールだったのだが、
大抵は裏面にノリがついて、水をつけて貼るタイプで、
たまにちゃんと台紙がついたシール方式の物があった。
ワタシはとにかくシールを集めていたので、それを本体から切り取り、
全て蒐集していた。
キチガイ的に。
中には交通安全のスピードを守ろう、見たいなのもあった。
80年代後半と言うと、アイドルも出尽くした感のあった時代ではあったのだが、
光ゲンジや中山美穂南野陽子といった最後の花々が競演しており、
小学館でもご他聞に漏れず、アイドル特集をよく組んでいた。
ワタシのジャニーズへの目覚めはこの辺りである。
全くをもって子供への刷り込みは凄い。
因みに山本淳一の好物は当時メロンパンと書かれていた。(どーでもいい)
ワタシの母親はメロンパンのことを「サンラ●ズ」*3と呼ぶ人だったので、
メロンパンが長年分からなかった事を覚えている。
そのアイドル達のシールと言うのは、ワタシにとっては超お宝扱いで、
それはそれは大事にしていた。
中山美穂の隣に、おぼっちゃまくんが並んでいようとも。
その中に、今を時めく酒井●子がいた。
彼女も特集ページを組まれるくらいには人気だったのだ。
小学生たちは普通にのり●ー語を使っていた。
ノリでいったら、wwwwwwwwwwwぐらいの世界だ。
その頃酒井●子は税務署のキャラクターとしてポスター等に出ていた。
確定申告はお早めに。というお決まりの文句で彼女が写ってるステッカーも、
祖父母の家で発見し、普通にお気に入り袋に入れた。
確定申告の前にする事がありそうではあるが、当時の彼女に罪は無い。
何となく捨てるに捨てれず、実家に置いたままなのだが、
なんかそんな物さえも売れそうな気がした。
ここは魔窟だ。
しかも途中にロリータ服や、ギャ服を売ってる店まである。
ヴィジュアル系が何たるかを、こんなに端的に表している光景もないなー、と思った。
あと、ジャニーズと東映ヒーロー出身者のグッズが一緒の店に置いてあるのも、
非常に時代だ、と思った。
この辺になると色々ぐったりしてくるのだが、
取り合えず、4階に上がる。
ここでは流石に開いた口が塞がらなかった。
以前オクやまんだらけにアフ●コ台本や、絵コンテ、設定、セル画、などが流出している、
というのは聞いたことがあるのだが、なんでL/Oや原画、動画、それらのコピーまであるんだ。
売れる、というのは聞いたことがある。
でも、これらの物は基本的に足が付く商品だ。
つーか、業界内で配られるコンテって、普通に会社のゼロックスとかのコピー機で刷って、
制作さんがホッチキス止めしたものだよ?
最近はあんまりにも流出が多い、という事で通し番号振ってる会社も多数なので、
確実にどこから出たか分かると思うんだけど、
それなのに、ついこの前までやってた作品の原画がダンボールで積まれてる。
グロス会社が箱毎売ってるとしか思えないんですけど・・・
セル画に至っては、デジタルになってからのセル*4があるんですけど・・・
まあ、ワタシもそういう仕事があるのは知ってますけど・・・*5
昔も今も、終わった物はゴミ、という感覚があって、
捨ててしまいます。
確かに素晴らしいモノも存在するのですが、
セル時代だったら、1年も作品をやってしまうと、コンテナ1個分くらいの産業ゴミになってしまうのです。*6
小さい雑居ビルの1室で作っていたりすると、それを保管しておく場所は無い。
作品によってはカットを局が引き取って行ったりする事はあるんですが、
大概は産廃として出されてしまう。
コンテや設定のコピーなどはもっと気楽に捨てられてしまう。
中にはゴミを漁りに来るヲタの方々もいて、
必ずしも業界人が売っぱらってる訳ではないのですが。*7
しかし、もの●けのセルが出回ってるとは思わなかった。
昔が緩かったのは知ってるけど、あの頃にはガチガチだと思ったんだけど。
ナウ●カの歩きの動画が下手で妙に安心したりしましたが。(安心すんな)
中には凄い原画とかも確かに混ざってるんだけど、
韓国の2原には本来価値は無いと思う・・・・
あ、某社の韓国人の作監の方とかは別だけど。
アフ台がオク形式になってたのは引いた。
あれこそ、絵も何もないんだよ。
ワタシもヲタだった頃は欲しがったから、気持ちは分かるけどさー、
それに触ったのは君の大好きな平●綾じゃなくて、1週間帰ってない進行かもしれないのに。
あと、箱毎売ってるグロス会社は、自重した方がいいと思う。
確かに某作画スタジオとかは、書き込みありの使用済みコンテが必ず流出するとか、そういう黒い噂のところもあるけど。
食えないから売っちゃうってのは、何か自分を貶めているような気がする。
一方で捨てちゃうよりか、市場に出回った方が残る可能性があるからいい、という考えもあるし、
確かに残すべき物はあるんだと思う。
でもアニメにおいてそれらはやはりあくまで部品であって、歯車である、と思っている。
アニメは映像になって何ぼであって、時計は正しく時を刻めば、
大概の人にとって中身は重要ではないのと一緒だと思うんだな。
勿論中身が良いに越した事は無いんだけど。
だって、映画でもドラマでもセットや小道具を全部残しとくのかって話ですよ。
役者だってそのままではいられないし、フィルムとか映像って、
その一瞬を切り取る物だからこそ、面白いんだと思うんだよね。
そんな訳で中野上陸作戦は見事に戦意喪失での退却となりました・・・
取り合えず、今度実家に帰ったらシールを発掘してこようと思いました。

*1:けしてステッカーと呼べる物ではない

*2:滲出性中耳炎だったので、週に2回くらい耳鼻科に行っていた。

*3:伏字にする必要など本来無いのだが、せざるを得ない状況を察して下さい。確か京都とかではそう呼ぶんですよね?母は生粋の広島の人間ではあるのだが。

*4:存在するわけが無い

*5:注:因みに公式に複製セルを売ってる所もある

*6:もっとかもしれない

*7:明らかに捨てた原撮コピーがオクに出てた事もある