追加で思い出し。

えっと昨日はあんな事言いましたが、
結論から言いますと、



二回目の成人式を迎えたおっさん妖精はマジでエクスタシーサミット*1



って事です。
『おまえら〜かんがえすぎだぞ〜〜』(指をくるくるさせながら)
とか
『きゃっ』
とか、
また新しい技を覚えたようです。
あの人きっと60になっても同じこと出来るんだよ・・・・
あと、KAZがやったギターを肩にかけたまま勢いつけてぐるっと回すってのが、
なんか凄い久しぶりに見たなーとか思ったんですけど、
今日になって
「ああ、あれはモト冬樹だ・・・」
と思いました。
あの子実は年齢詐称じゃなくて?



そういえば方々でエ●ァが絶賛されていて、
気になる気になるではあるんですが。
周りの業界人の反応は絶賛とかではないのです。
合成ガタ*2とか動画*3がかなり荒い、との事。
話は良くも悪くもア●ノさんだそうで。
まあ、監督御本人が、
「劇場は6割でいいです」
との事だったので、それなりの出来なんだろうけど。
そうなんだよなあ、本当の意味でワタシ達はアニメを楽しめなくなってるんだろうな、
と思い知らされるわけです。
そして、こうして視聴者との意識の差が、時代に取り残されるという事なんだろうか、とも思うのです。
ときかけもさー、真が泣きながら走ってく所が一番いい所なんだろうけど、
あそこ劇場版では動画のヘタレ具合がかなりキてて、
ぐぬううというか、冷めたというか、引いたというか。
ああ、なんて空虚な、と思うんですよ。
好きで入った業界の癖に、ワタシはもう二度と消費者に戻れないんだ、という思いを痛切に感じる。
それでも消費者の感動とアウトプットのカタルシスであるなら、
ワタシは迷わず制作者をやはり選ぶのだろう。
それくらい、アウトプットというものは、
蠱惑的なものだと思う。
因みにさっき夜中にやってたTV版をちらっと見たんだけど、
あれー、そんなに出来よくないな・・・ワタシの記憶が美化されてんのかーと思ってたら、
4話は普通に●ガのグロス*4だった。
で、続けて5話放送してたが、出来が歴然の差だった(笑)
でもセルだなーと思い知らされた。
多分DVD用にリマスターしてセルゴミとかは無くなってるんだけど、
普通に長セルのセルガタ*5とか、諸々ミスが。
反対に日常芝居の細かさとか見てたら、ぐったりするくらい凄かったり、
セルなのにカット内OLが二種類同時に別タイミングで行われているのとか、
どうやって撮影したのっていうか、死ねる・・・みたいなのとか素晴らしい所も沢山あるんだけど。
あ、それから色彩設計、色指定さんの能力とセンスの高さは舌を巻くよね。
約200色以上*6の中から、背景と色を合わせている夕景のシーンは凄かった。
今は今でデジタルの無限にある色の中から選ぶという作業が、
仕上げという職人の仕事よりもセンスの仕事にシフトして大変だという話も良く聞きますが。
L/Oとかはね、もう語りつくされているのでいいですけど、
あんだけ室内描いて動かして破綻してないのは凄いと思う。
地味だけど、このポーズ描けないってのがオンパレード。
こんなの思いつかねーよみたいな構図がバシバシ出てくるし、コンテマンのセンスも光るけど、
カット割りを見ていると、とにかく計算づくだというのも分かる。
音の作りこみも素晴らしいし、音楽のタイミングにはカタルシスを感じる。
あ、でも背景はアレだ。
当時は凄いレベル、●峰の背景はせかいいちいいいいいぃいいいいみたいな感じでしたが、
やっぱりデジタルの恩恵を受けている昨今の方がレベルが高い。
つーか●峰の背景って此処ん所は高い*7、煩い、微妙になりつつあるからなあ。
でもこの作品の肝は、やっぱり演出だと思う。
今見てもこんだけ画面に集中させる事ができるのは、
演出の能力が抜きん出ているからだ。
カットの繋ぎと台詞の間が最高に上手い。
絶賛するくらい上手い。
演出はそこが最高の見せ所な訳だけど、それを意識させたらいけないんだよねえ。
だから引き込まれているというのは、演出が成功しているという何よりの証拠なんだ。
確かにエ●ァという作品自体は切り貼りなのだが、
コラージュという手法で作った完全に新しい作品な訳で、
アレを継接ぎと言ってしまうのは勿体無いと思う。
謎が謎を呼ぶシナリオが面白い、というのは事実ではあるんだろうけど、
結局謎が謎のまま終わってしまったわけで、
本来はシナリオとしても、作品としても破綻している。
にも拘らず、そこさえも素晴らしい点として評価されているのは、
1話1話の作りこみ、演出、構成としての演出で補っているからだ。
同じタイプのモノとしてはCLA●PのX(漫画の方)だと思う。
反対に失敗に終わったものとしては、枚挙にいとまがないのですが、
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51434431.html
この辺でいいのではないでしょうか。
とにかく異様にポテンシャルの高い作品である。
勿論、細かい所を突けば、粗はあるんだけど(特に後半)。
でも、何だろう。
気持ち悪いんだよ。
TV放送当時、話を聞く限りは、業界内にもムーヴメント的なものはあったようだし、
大変だったって言いながらもスタッフも熱狂の渦中で制作してた様だ。
視聴者と、現場の熱がリアルタイムだったんだろう。
でも、この新劇場版シリーズは、視聴者と制作者の熱が少なくとも一致してない気がする。
消費者は熱狂しているのに、現場は酷く冷めてる。
一部新スタッフの中には、自ら志願者がいるようだけど、
それは皆、元消費者だ。
それ以外は、皆言うのは、
『大変だよ、でも●●さんがやるから、やらない訳には』
『一応代表作だしね』
『皆年食っちゃった(笑)』
というような話だった。
あの頃30そこそこだったスタッフたちは皆40歳をとうに過ぎ、
いたって冷静に確実な仕事をしている。
でも大概大きな波になるような作品は現場も活気があり、
必要以上に暑いことが多いのだけど、今のエ●ァはそれが無いのに当たっているのが、
なんだか気持ち悪い、とワタシは感じているようだ。
それでもやっぱりワタシも見るんでしょうけど。
旦那がきっと一緒に行ってくれないので、
一人で行くか、またDVDまで待つのかなーと思ったり。
なんでそんなに嫌なの?って聞いたら、
「また『気持ち悪い』とか言って終わりだったら腹が立つ」
だそうです。
何だよ、プレミアのLD初回版持ってたくせに。
まるで悪い女に騙されたみたいな言い方だよね、と言ったら、
「正にそうだよ。寧ろ美人局と一緒だ。」
と怨念をぶち撒いておられた。
アレが世に言うエ●ァトラウマなんですね、わかります。

*1:無敵

*2:動画ミスですね。日本のアニメの画は動く所と動かない所を別々に作画して労力を減らしています。勿論その方が綺麗に見えるというのもありますが。それをフォトショのレイヤーの様に重ねて1コマ1コマ撮影していきます。その際、下と上の画が重なる所の処理が上手くいってないと、合成ガタという線がガタガタと動く現象が起きます。因みにネズミー等カートゥーンでは合成はほぼ使用されません。

*3:本来の意味での動画。中割り、トレスの事です

*4:下請け会社。少なくとも6年ぐらい前までは現存したが、今はどうなんだろうか・・・。最近会社がバタバタ倒れているので。

*5:撮影ミスの事。まあ、セル時代は結構あった。

*6:太陽色彩での基本色。スタックと太陽色彩というのがアニメカラーの2大メーカー。確かジ●リ等では特別色を作ってもらっていたとかで、600色近くあったとか。

*7:業界最高値、と昔は言われていた。値切ると3軍が来るとか来ないとか。今はどうだろう。