訃報

帰る途中むっはーってしたまま旦那に会ったら、
開口一番
『逢坂さん亡くなったって』
で、LIVEの記憶が失われそうでした。
その日中なんかそればっかりでした。
http://www.bones.co.jp/news/archives/000353.html
http://www.kajisoku.com/archives/eid1737.html
ワタシがアニメを意識してみたのは間違いなくトトロなんですが、
ワタシが業界を志すきっかけになったのはVGなんですな。
当時中学生だったワタシにとって、アニメってここまで出来るんだ、と思わせた作品でした。
御大的には失敗作というので有名なVGで、確かに色々破綻してるとは思うんですけど、
当時少しだけ世の中というものを意識し始めた思春期のワタシにとって、
大人たちに聞いても納得のいく答えが返って来ない問題に答えてくれた作品でした。
今風にいうとワタシにとっては凄くリアルだったという事です。
続けて始まったGに最初衝撃を受け(違う意味で)、切ってしまった(笑)
1クール過ぎた辺りから凄く面白い事に気付き、受験の日が最終回だった気がするのですが、
弟にビデオに取って貰って後で見て悶絶した(笑)
そんな中途中で、キャラデが同じ事に気付き、直一層驚いた記憶があります。
とても艶っぽい版権が大好きでした。
いつか会えるかなーと思っていたけど、叶わぬままになってしまった。
業界人早く亡くなり過ぎだから。
40台半ばはホント鬼門。
今年だけで名が知れた人で3人。
表に出た事ないような人だと、もっといる。
業界がマトモだった時期なんて古い人にいわせると殆どないと言うけど、
少なくとも昔の方が稼げた、と言う。
アニメーターの貧困などがよく取り上げられるが、
正確に言うと業界自体が極一部中流階級の暮らしが出来るLVで、その他大勢が老後どーしよーという状態なのだ。
仕上げ、制作、背景、撮影殆どの初任給は15万前後だ。
しかも大抵は契約社員と言う名の雇用形態で保険年金福利厚生ボーナス全く無し、
社員ではなく業務委託契約なので、残業代も発生せず、15万から10%の源泉が引かれてというのがデフォルトだ。
会社によって程度の差はあれど*1、そんな感じだ。昇給も小幅。
大抵は業界に5年居て20万程度だと思っていい。
そこそこ普通に仕事している人で年収300万前後(多分55%ぐらい)。
ある程度の仕事をしてる人で400万前後(10%)。
結構いい仕事をしてる人で600万前後(5%)。
それ以下(30%)
それは普通なのか?
アニメーターだけじゃなく、他部署だってきついんだ。
正直言うとアニメーターの過酷さはさほどではないと思う。
自由な分リスキーなだけだ。
就業時間も、仕事内容も、実力次第、自分で選べる。
嫌な奴がいる、作品が嫌い、お金が安い、スケジュールが無い、管理体制がなってない、そんな仕事は選ばなくていい。
だから自己責任。
他の部署ではそうはいかない。
だからこそ固定給なのだが。
それから他への転職がきく。(仕上げは厳しいが)
絵を描く能力を求められる他の仕事なんて殆ど無い。
絵を描きたいなら、しがみ付くしかない。
アニメなんて中の人が言うのもなんだが、無くなっても生きれなくなる人なんて居ない。
娯楽だから。音楽と一緒だ。
社会の歯車の中で必要とされていない以上、どうしようもない。
業界の改善なんて、中の人以外必要ないのだ。
ワタシは個人的にはもう少し本数が減って、何年も続けられるような長期シリーズに変わるといいと思います。
2クール15本、1年15本、それ以上20本で週50本になれば相当変わります。
特に1年以上の長期シリーズと言うのは業界にとって安定要素なので、長期シリーズが増えれば、制作会社も安定し、
その分下の働いている人の生活も安定します。
しかし市場原理で動いている以上そんな頃に戻る事なんて多分無い。
もっと新しい見方をしなければならない。
とりあえず皆長生きしてください。
私たちに色んなものを見せてください。

*1:本当にちゃんとしている所も確かにあるんですが、大半はこうだと思っていい。