絵描き不向き

思考が纏りません。
私達はただ描くだけです。
私達の苦労は垂れ流されるその一瞬のためにあるのです。
自分の作品ではないし、お金を貰って描く職業絵描きですから、それがエロであろうが、人殺しの絵であろうが、ただの看板であろうが関係なくプロである私達は描くだけです。
それが画面の一瞬を飾るために最高であれと思いながら。
まだ10代だった頃予備校に通いながらも画を描くのが死ぬほど嫌いだった自分が先生に『画を描くのが苦痛だ』と話したことがあります。
「たまにいるよねー、そういう人(笑)」
「いーんじゃない、それで。」
と言われて、何か悪い事をしているような気分だったワタシを随分と楽にしてもらった事があります。
同じ先生に言われたことで、
「デザインって凄い広いんだよ。この画用紙あるじゃん?これもデザインされてるんだよ。この比率を決めて、何センチってサイズを決めて色とか素材とか決めた誰かがいるんだよ。全部デザインなんだよ。この机の角も、床も電信柱も。」
というのがあって、ワタシは若かった所為か凄く感心してしまったのを覚えています。
その頃既にアニメをやりたいと言う思いはあり、その為には少しでも画が描けなければいけないから美大に入りたいと言う、
『俺バンドやりたいから音楽の基礎はしっかりしとかなきゃと思って、音大に入ろうと浪人している』みたいな人が聞いたら無駄と思える行動を取っていた自分は夢≠現在の自分の状態に苦しんでしました。
全てがデザインの言葉はワタシにとってそのギャップを埋めて、現在の自分⇒未来の自分になるのに無駄ではないと思えるようになり、自律神経失調症(軽く鬱)は緩やかに回復したのを覚えています。
画を描くのは好きですか?
ワタシは出来れば避けて通りたい位嫌いです。
なりたかった人から見れば納得できないかもしれません。
ワタシは才能はありませんでした。
図画工作は母親の作品を出してました。(持ち帰っては母親に渡していた)
成績もよくありませんでした。(下の中)
本当にワタシの絵など誰も見向きもしませんでした。
コミケでも殆ど売れた試しはありません。
別に特別言われたことはありませんが、皆今回の会長は上手くないよなー、と思っていたと思います。*1
半分は偶然もあります。
旦那さんと出会わなければ絵描きの道は進まなかったでしょう。
でもワタシは人より描けない分、人より沢山描きました。
だからプロになりました。
でもプロは上手い人やら天才がゴロゴロいる世界です。
しかしアニメーターに限るなら、誰でもなれる職業です。
続けることが難しいだけで。
10年後も同じ事をワタシは言っているか甚だ疑問ではあります。
出来れば、絵描きでありたいと思っています。

*1:高校時代漫研の会長でした。歴代上手い人が会長でしたが、私の代は上手い子が生徒会に入ってしまったり途中で抜けたりが多く、ただ出席率の高さと長女気質を見込んでの人選だったと思われる。